読書感想文s

読んだ本のシンプルなまとめ

「トレイルランニング」

トレイルランニング (OUTDOOR PERFECT MANUAL)

トレイルランニング (OUTDOOR PERFECT MANUAL)

日本のトレイルランニングの第一人者である鏑木毅さんトレイルランニングの入門書。 僕はロードしか走っていなかったときに、この本だけ読んですぐにトレイルの大会に出場した。

走り方の基本から応用テクニック、装備、トレーニング方法、レースについてまで、豊富な写真とともに網羅的に書かれている。内容も必要十分で、これからトレイルランニングを始める人には、自信をもってオススメしたい。

以下、走り方の基本で重要な部分をピックアップする。

  • ロードでは「フォームを一定に固める」ことが重要だが、トレイルでは「変化に対応できる柔軟なフォーム」が必要

  • 上りは体を前に倒し、前傾する力を利用しつつ、一歩一歩踏み出すイメージで走ると楽になる。

  • 急斜面は脚力温存のために積極的に歩く。歩くときは腕を膝頭にそえて積極的に使う。

  • 急斜面の上りは太もも温存のためハムストリングを使う。やや内股にすると使いやすい。

  • 急斜面を走る場合は蛇行すると斜度が緩和される。ただし、急斜面の上りは過度にふくらはぎに負荷がかかるので、走り->歩き->走り、と疲労が蓄積する前に歩きを混ぜるとよい。

楽しさについて。 トレイルランニングは、遊びの要素が強い。スキーやサーフィンと一緒でその行為自体が楽しいスポーツである、と書かれていた。 これは全く同意。初めて下りのトレイルを走ったときの爽快感と楽しさは今でも覚えている。 この本の中では、トレイルランニングの楽しみ方がたくさん紹介されている。 楽しそうだと思ったのは、「トレラン旅行」。 普段行く山とは違った山に遠出していってみるのは、とても面白そう。是非トライしてみたい。

トレーニングについて。 基礎体力をつけるには、ロードのトレーニングが必要とあった。これは他のトップランナーも言っていた気がする。結局はロードで速い選手は、トレイルでも速い。 有効なのは、「快調走」。ジョギングとレースペースの中間くらいの速さで、長めの距離を走るというもの。 心拍は自分の場合は、150-160くらいが妥当。翌日に疲れを残さない程度にするのがポイント。 心拍はペースの目安がないトレイルにおいては重要。 今迄あまり意識していなかったが、これからは心拍で運動強度をしっかり把握するように心がけたい。

最後に、60歳近い年齢で、UTMB(ウルトラ・トレイル・ド・モンブラン)で2連覇したマルコ・オルモ選手が紹介されていた。 彼は、鏑木さんの他の著書でも紹介されていた人物。 自分の倍近い年齢で世界的100マイルレースを2連覇。。。信じられない。 ヨーロッパでは「時を止めた男」として知られているそう。ドキュメンタリーがあるらしいので、チェックしてみたい。

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

 

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)

 

 

 
最近読んで感銘を受けた「嫌われる勇気」の共著のライターによる、文章作成に関する本。
 
 
「書こうとするな、翻訳せよ」というのが著者の主張である。
まだ頭の中で言葉になっていない、自分の伝えたいことを「翻訳する」という意識が大切らしい。
 
また、「書くことは考えること」でもある。
経験的に仕事で何か新しいことを学んだ時は、メモやレポートを書く場合と書かない場合で理解度がまるで違う。もちろん全てのことを書いていたら時間がいくらあっても足りない。しかし、自分が身につけたい知識や深掘りしたいことは、積極的に書いてまとめるべきだと改めて思った。
 
「文章力は最大級の投資」という言葉は、とても納得した。話すと一回その場限りだが、書くと再利用可能になる。確かに話すよりも書く方が初期コストはかかるかもしれないが、コピー、配布が容易にできるのは投資に見合うリターンだと思う。書く技術はなんとしても身につけたいと思った。
 

文体=リズム=論理展開

「文体とはリズムである」というのが、著者の自論である。そしてリズムは論理展開によって決まるという。
 
では、どうやって論理的に文章を組み立て、リズムを出すか。
 
これは論理的に破綻しないことが大切。
論理破綻に気づくためのキーワードは接続詞。接続詞をあいまいにするから破綻に気づかない。接続詞をもっと積極的に使うべきだ。
ただし入れすぎると出来上がりの文章がウザくなるので、接続詞が入るかどうかというチェックを積極的に行う、という方法がよい。
 
さらにリズムを作る際のテクニックが書かれていたので以下にまとめる。
  • 1行に最低一つ句読点を入れる
  • 改行は最大5行をメドに早めに入れる
  • 漢字とひらがなのバランスをとる
  • 書いた後は、音読してリズムをチェック(読点の位置、言葉の重複)
 

読者の椅子に座る

あらゆる文章には必ず読者が存在する。
だが不特定多数をターゲットにすると読者は見えなくなる。
はっきりとイメージできる読者は次の2つ。
  • 「過去の自分」
  • 「特定のあの人」
この本のタイトルの意味がここでようやくわかった。
 
 最後に印象に残った言葉を紹介。
 
「自分の頭でわかったこと以外は書かない。」
「何を書くかより、何を書かないか」
 
たくさん書けばいいというものではない。1番大切なことが伝わればよいのだと思った。

「グーグル、アップル、フェイスブックなどが実践する 世界でいちばん自由な働き方」

シリコンバレーでの働き方について書かれた本。

  • 「組織」ではなく「個人」
  • 「大手」ではなく「ベンチャー
  • 「タテ社会」ではなく「ヨコ社会」
  • 「継続」ではなく「変化」

これがシリコンバレーのビジネスのシステムの特徴だ。

「変化」という部分で、この本では、「計画された偶発性」という言葉が紹介されている。 それは、予期していないことを積極的に受け入れるということ。

  1. 出来事が起こる
  2. それを受け入れる
  3. 乗り越える

これを繰り返してキャリアを作っていく、というのが「計画された偶発性」。 この考え方は、スティーブ・ジョブズの「点と点の話」に近いと思った。 「変化」を恐れるのではなく、積極的に受け入れることが重要だ。

「個人」というところでは、シリコンバレーでは、ビジネスの主役は組織ではなく個人だ。 個人としてやっていくには、とにかくヨコのつながりが重要。 そこで、ネットワーキングという日本で言う異種交流会のようなイベントが頻繁に開催され、人脈を作っている。

日本のように横一列の新卒採用はほとんどない。即戦力が求められる。 即戦力でない場合は、インターンとしてスタートして経験を積んでいく。

また、シリコンバレーでは、会社が倒産しても失敗を再利用する仕組みがある。優れた技術や人材等は、メンターやエンジェルといった支援者の手で新しい会社や他の会社で受け入れられる可能性がある。 これも組織ではなく、あくまでも個人が主役であるからこそ。

以下、書き留めておきたいと思ったところを箇条書きで。

  • ニュートラルな個人の熱意あるいは善意の結びつきこそがシリコンバレーの原動力であり大切な要素。
  • 分業を重んじ、それぞれが得意なことしてお互いに共存している。
  • 違いを否定しない、違いを認める。相手をリスペクトする。
  • 自分と違うことをやっている人たちと多くつながっていれば(ヨコ社会)、分業、共存してつぶしがきく。自分の専門分野を役立ててくれる人がいる。
  • 話さずに黙々と仕事をこなすのは、理解されない。自分の能力や考えを積極的にアピールすることが大事。
  • 完璧な英語力よりも、とにかく自分の思いを声に出す発言力のほうが大事。

後半には実際にシリコンバレーで就職するための計画が書かれている。 準備期間は2年間。必要なことは大きく2つ。

就労ビザは、いくつか選択肢があるが、人によって現実的な選択肢は変わるはずだ。 自分の場合は、「日本で外資系企業に就職して本社に転籍」、が一番現実的だと思った。

英語力は、TOEIC等のリスニング・リーディングよりも、とにかく話す方を練習すべきだとあった。

最後に、この本で印象に残った言葉を紹介。 「正解はない方がいい。」 人は選択をするときにどちらが正解かを考えてしまうと思い切った決断ができなかったり、後で後悔してしまったりするのだと思う。それなら「正解なんてない。」と最初から思えばいい。 何か大きな決断を迫られたとき、こんなにシンプルに自分を後押ししてくれる言葉はない。

アクション

  • LinkedInに登録する
  • シリコンバレーに本社があって日本に進出している外資を調査
  • 瞬間英作文を英語学習に取り入れる

「ベジタリアンの医学」

 

ベジタリアンの医学 (平凡社新書)

ベジタリアンの医学 (平凡社新書)

 

 

ベジタリアンについて、医学的な視点から書かれた本。

著書がアメリカで活動しているので、アメリカ人のデータに基づいている記述が多い。
 
結論としては、「適切に準備されたベジタリアン食」は、健康の維持・増進と病気の予防に役立つ、というもの。
「適切に準備」とは、多様性とバランスを考えることで、多種類・多品種の食材、食品を栄養学的にバランスよく摂取することが基本となる。これは当たり前だけど非ベジタリアン食にも当てはまることである。
 
病気予防の実例として、ベジタリアンは、統計的に以下の生活習慣病にかかる割合が少ないということだ。
原因は、肉によるタンパク質や脂質の取り過ぎがなくなること、肉を食べないことで様々な病気に効果的な野菜の栄養素が摂る機会が増えること、等が考えられるが、総合的な食生活として非ベジタリアン食よりも病気予防という点では優れているということだろう。
 
では実際に「適切に準備する」には、どうするのか?
そのためには、以下の3点を心がける。
  1. 摂取エネルギーの設定
  2. 三大栄養素の配分
  3. ビタミン・ミネラルの摂取量の確認
特に意識すべき点は、ビタミン・ミネラルだと思われる。肉から摂取していた栄養素をどこかで補う必要があるからだ。
 
以下、ベジタリアン食の栄養素について本書の内容をまとめておく。

タンパク質

植物性たんぱく質の利用効率は、動物性に劣るが、組み合わせてとることで必須アミノ酸を摂取できるため、問題ない。
アミノ酸は蓄えられるので、一度の食事で組み合わせなくてもよい。
大豆は必須アミノ酸全て含む。
菜食ではタンパク質を15%ほど多めにとった方がよいが、ラクト・オボベジタリアン、ペスコベジタリアンは特に意識する必要はない。

脂質

動物性脂肪と植物性脂肪の違いは、動物性は主に飽和脂肪酸、植物性は不飽和脂肪酸が多い。
また青魚も不飽和脂肪酸が多い。
ヴィーガンやラクト・オボベジタリアンリノレン酸を意識してとる必要がある。ペスコベジタリアンは、青魚を取ればDHAが取れるので大丈夫。

ビタミン

ビタミンB12は、所要量を得るために動物性食品の利用が必要な唯一の必須栄養素。
ラクト・オボベジタリアンは問題なし。ヴィーガンサプリメントの使用を推奨。ペスコベジタリアンは、魚介から摂取できるので大丈夫。
藻類や大豆のビタミンB12は不活性なので当てにしない方がよい。
ビタミンB12は体内に貯蔵されているので、菜食始めたばかりだと摂取が不足してもしばらく大丈夫だか、後から欠乏症になる危険がある。そのため、ちゃんと所要量を摂取できているか意識して注意する必要がある。
ヴィーガンビタミンDも注意すること。

ミネラル

鉄については、菜食が鉄分不足を指摘されるのは、植物性は非ヘム鉄で利用効率がよくないため。ビタミンCと一緒にとるとよい。
取りすぎるとだめなのでサプリは不要。
亜鉛については、穀物や豆類のフィチン酸が吸収を阻害してしまう。しかし、魚介に豊富なため、ペスコベジタリアンでは問題なし。
カルシウムは、ヴィーガンでも問題なし。
大豆、豆乳、ブロッコリー、ケール、オクラなどでとれる。

ファイトケミカル

呼吸で取り入れた酸素の1,2%は活性酸素で様々な障害をもたらす。また活性酸素は運動時に大量に生じる。
そのため抗酸化成分・酵素が大切と言われている。
植物に含まれるこれらの成分をファイトケミカルという(Phytoは植物のこと)。
ファイトケミカルは植物の色や香りの成分なので、たくさんの種類のファイトケミカルをとるには、違った色の野菜や果物を取れば良い。
ブルーベリーのアントシアニンは目に良い。冷凍でも良いので取り入れやすい。

その他気になった点

ペスコベジタリアンの注意点としては、食物連鎖の上位に位置するマグロなどの大型回遊魚は水銀の蓄積が心配なので、アジやイワシなどの小型の魚がお勧め。つまり、植物プランクトンを食べているようなベジタリアンの魚を選ぶ方がよいということ。
 
和食 は、そのままでは適切なペスコベジタリアン食とは言えない。塩分が過剰に、なりやすくたんぱく質が不足しがちだそうだ。
減塩を意識して、豆腐等の大豆製品や魚等でタンパク質を摂る等、和食をベースに工夫すればOK。
 
ベジタリアン食で不足しがちなものとして、必須アミノ酸、カルシウム、鉄、亜鉛ビタミンB12は意識して摂った方がよい。
 
持久系アスリートは体重1キロあたり、1.2-1.4グラムのタンパク質が必要。
 
フルータリアンやローフードだけたいった不適切な食事は栄養学的には問題あり。
おひたしなど加熱した野菜も摂った方がよい。
特に小児は栄養障害が出やすいので注意する。
 

感想

元々ランニングのために、肉を控えることを目的として読んでいるので、肉を食べないことで、栄養学的に問題がないのかを知りたかった。

読後の全体的な印象としては、ベジタリアンは健康によいが、ヴィーガンだと不足する栄養素を補うためのサプリメントが必要なことがあり実践が難しそう。
ラクト・オボベジタリアンは栄養学的には全く問題ないが、日本で外食することを考えると、やはり実践するのが難しい。
上記2つに対して、ペスコ・ベジタリアンは栄養学的にも問題はなく、外食も日本では困らない。欧米で一般的なベジタリアン食とは言えないが、肉を摂る非ベジタリアン食に比べて、病気予防等の恩恵を受けつつ、日本で実践が容易なので現実的な選択肢だと思う。
実際に3週間ほど肉から魚に切り替えてみて、筋肉量を増やしつつ、体重・体脂肪をかなり減らすことに成功したので、このままベスコ・ベジタリアン食を続けてみようと思う。
 
 

「30分の朝読書で人生は変わる」

30分の朝読書で人生は変わる

30分の朝読書で人生は変わる

著者の松山さんは、この本で以下の3つを提案している。

  1. 朝、「まだ世の中が動き出す前」に起きる習慣をつくること
  2. 出社する前に30分、「読書」の時間をつくること
  3. 読んだ本の内容を、周りに「伝える」こと

「早起き」×「読書」×「伝える」という3つを、関連させて行うことが重要。

個人的には、「早起き」と「伝える」が、やろうとしても中々身に付かない。
好きな「読書」の質・量を向上させることをモチベーションにして、他の2つも習慣化できるとよいが。。。

具体的なアクションを、以下の3つに決めた。明日から実践してみたいと思う。

  • 始発(5時過ぎ)で出勤する
  • 毎朝5〜6時(電車+オフィス)を、朝の読書タイムにする
  • 読んだ本についてブログに書く