「グーグル、アップル、フェイスブックなどが実践する 世界でいちばん自由な働き方」
グーグル、アップル、フェイスブックなどが実践する── 世界でいちばん自由な働き方
- 作者: 天野雅晴
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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シリコンバレーでの働き方について書かれた本。
- 「組織」ではなく「個人」
- 「大手」ではなく「ベンチャー」
- 「タテ社会」ではなく「ヨコ社会」
- 「継続」ではなく「変化」
これがシリコンバレーのビジネスのシステムの特徴だ。
「変化」という部分で、この本では、「計画された偶発性」という言葉が紹介されている。 それは、予期していないことを積極的に受け入れるということ。
- 出来事が起こる
- それを受け入れる
- 乗り越える
これを繰り返してキャリアを作っていく、というのが「計画された偶発性」。 この考え方は、スティーブ・ジョブズの「点と点の話」に近いと思った。 「変化」を恐れるのではなく、積極的に受け入れることが重要だ。
「個人」というところでは、シリコンバレーでは、ビジネスの主役は組織ではなく個人だ。 個人としてやっていくには、とにかくヨコのつながりが重要。 そこで、ネットワーキングという日本で言う異種交流会のようなイベントが頻繁に開催され、人脈を作っている。
日本のように横一列の新卒採用はほとんどない。即戦力が求められる。 即戦力でない場合は、インターンとしてスタートして経験を積んでいく。
また、シリコンバレーでは、会社が倒産しても失敗を再利用する仕組みがある。優れた技術や人材等は、メンターやエンジェルといった支援者の手で新しい会社や他の会社で受け入れられる可能性がある。 これも組織ではなく、あくまでも個人が主役であるからこそ。
以下、書き留めておきたいと思ったところを箇条書きで。
- ニュートラルな個人の熱意あるいは善意の結びつきこそがシリコンバレーの原動力であり大切な要素。
- 分業を重んじ、それぞれが得意なことしてお互いに共存している。
- 違いを否定しない、違いを認める。相手をリスペクトする。
- 自分と違うことをやっている人たちと多くつながっていれば(ヨコ社会)、分業、共存してつぶしがきく。自分の専門分野を役立ててくれる人がいる。
- 話さずに黙々と仕事をこなすのは、理解されない。自分の能力や考えを積極的にアピールすることが大事。
- 完璧な英語力よりも、とにかく自分の思いを声に出す発言力のほうが大事。
後半には実際にシリコンバレーで就職するための計画が書かれている。 準備期間は2年間。必要なことは大きく2つ。
- 就労ビザの取得
- 英語力の向上
就労ビザは、いくつか選択肢があるが、人によって現実的な選択肢は変わるはずだ。 自分の場合は、「日本で外資系企業に就職して本社に転籍」、が一番現実的だと思った。
英語力は、TOEIC等のリスニング・リーディングよりも、とにかく話す方を練習すべきだとあった。
最後に、この本で印象に残った言葉を紹介。 「正解はない方がいい。」 人は選択をするときにどちらが正解かを考えてしまうと思い切った決断ができなかったり、後で後悔してしまったりするのだと思う。それなら「正解なんてない。」と最初から思えばいい。 何か大きな決断を迫られたとき、こんなにシンプルに自分を後押ししてくれる言葉はない。