「20歳の自分に受けさせたい文章講義」
最近読んで感銘を受けた「嫌われる勇気」の共著のライターによる、文章作成に関する本。
「書こうとするな、翻訳せよ」というのが著者の主張である。
まだ頭の中で言葉になっていない、自分の伝えたいことを「翻訳する」という意識が大切らしい。
また、「書くことは考えること」でもある。
経験的に仕事で何か新しいことを学んだ時は、メモやレポートを書く場合と書かない場合で理解度がまるで違う。もちろん全てのことを書いていたら時間がいくらあっても足りない。しかし、自分が身につけたい知識や深掘りしたいことは、積極的に書いてまとめるべきだと改めて思った。
「文章力は最大級の投資」という言葉は、とても納得した。話すと一回その場限りだが、書くと再利用可能になる。確かに話すよりも書く方が初期コストはかかるかもしれないが、コピー、配布が容易にできるのは投資に見合うリターンだと思う。書く技術はなんとしても身につけたいと思った。
文体=リズム=論理展開
「文体とはリズムである」というのが、著者の自論である。そしてリズムは論理展開によって決まるという。
では、どうやって論理的に文章を組み立て、リズムを出すか。
これは論理的に破綻しないことが大切。
論理破綻に気づくためのキーワードは接続詞。接続詞をあいまいにするから破綻に気づかない。接続詞をもっと積極的に使うべきだ。
ただし入れすぎると出来上がりの文章がウザくなるので、接続詞が入るかどうかというチェックを積極的に行う、という方法がよい。
さらにリズムを作る際のテクニックが書かれていたので以下にまとめる。
- 1行に最低一つ句読点を入れる
- 改行は最大5行をメドに早めに入れる
- 漢字とひらがなのバランスをとる
- 書いた後は、音読してリズムをチェック(読点の位置、言葉の重複)
読者の椅子に座る
あらゆる文章には必ず読者が存在する。
だが不特定多数をターゲットにすると読者は見えなくなる。
はっきりとイメージできる読者は次の2つ。
- 「過去の自分」
- 「特定のあの人」
この本のタイトルの意味がここでようやくわかった。
最後に印象に残った言葉を紹介。
「自分の頭でわかったこと以外は書かない。」
「何を書くかより、何を書かないか」
たくさん書けばいいというものではない。1番大切なことが伝わればよいのだと思った。